
深夜まで資料のフォントやレイアウトを調整しているのに、翌日のプレゼンで何が言いたいのかわからないと言われてしまった

プレゼンをしても技術的なすばらしさが伝わらず、聞き手からピントのずれた質問ばかりされた
こんなお悩みありませんか?
これらのお悩みは、もしかしたら「伝わる資料作り」ができていないことが原因かもしれません。
伝わる資料を作ろうと思うと、ついついデザインばかりに注力してしまいがちです。
特に技術系のバックグラウンドをお持ちの方は「自分はデザインセンスがないから…」と思っている方も多く、「伝わらないのはデザインが悪いから」と考えてしまう方もいます。
しかし、資料作成で意識すべき一番のポイントは「誰に、何を伝え、その結果どのように行動してほしいのか」ということです。
資料を作ることが目的になってはいけません。本来のメッセージが伝わらなくなる可能性があるからです。
そこで今回は、デザインの前に考えるべきポイントを3つ紹介します。
誰に何を伝え、どう行動してほしいのかを明確にする

資料作成の本質は相手に伝えたいことを確実に伝えることです。
当たり前に聞こえるかもしれませんが、実はとても難しいんですね。
特に技術系の場合、自社の技術の革新性や市場価値をその技術に詳しくない相手にも伝える必要があります。
相手に伝えたいことを確実に伝えるためには、以下の3点を明確にすることが重要です。

では、この3つのポイントについて詳しく見ていきましょう
資料の聞き手を明確にする

資料を作る前には「誰に」伝えるのかを明確にすることが重要です。
同じ技術や製品についての説明でも、聞き手によって伝えるべき内容は大きく変わってくるからです。
例えば、AIを活用した医療診断システムの説明をする場合、
- 投資家には → 市場規模やビジネスモデル、競合優位性
- 医療機関には → 診断精度や使い勝手、既存ワークフローとの親和性
などを中心に説明するとよいでしょう。
プレゼンテーションでは、このような明確な価値提案を伝えるようにしましょう。
「誰に」を明確にせずに作った資料は、残念ながら誰にも響かない「中途半端な資料」になりがちです。
技術者の方は技術的詳細に時間を割きがちですが、意外にも相手が求めているのはそこではないことが多いのです。

聞き手に合わせて説明するポイントを絞る必要があります
「何を」伝えたいのか明確にする

次に重要なのは、「何を」伝えたいのかを明確にすることです。
もっと言うと、相手に伝えるべき明確な価値提案を決めておきましょう。
なぜなら、相手はあなたの技術を知りたいわけではなく、その技術によって実現される未来を知りたいからです。
例えば、先ほどの医療診断システムの例でいうと、
- この技術で診断精度が15%向上する
- 診察時間が従来の1/3になる
- 希少疾患の早期発見率が2倍になる
などが挙げられます。
このように、明確な価値提案を決めておくことが大切です。
「AIを使った素晴らしいシステムです」という曖昧な説明では、相手の心には響きません。
技術者の方々は、自社の技術の細部まで理解しているからこそ、「相手に何を伝えたいのか」を絞り込むのが難しいと感じる方も多いと思います。
しかし、伝えたいことが多すぎると、結局何も伝わらなくなります。

資料を通して相手に「何を1番伝えたいのか」を決めましょう
相手に「どう行動してほしいのか」明確にする

最後に重要なのは、資料を見た相手に「どう行動してほしいのか」を明確にすることです。
プレゼンテーションの最後に次のステップを明確に提示することで、相手の行動を促すことができるからです。
一方で、この「Call to Action」が明確でないと、せっかく技術的な内容が伝わっても、その後のアクションにつながらなくなってしまいます。
このため、プレゼンテーションの後に、
- 投資を検討してほしいのか
- 製品を購入してほしいのか
- 技術提携の検討をしてほしいのか
など、どう行動してほしいのかが明確に伝わるようにするとよいでしょう。
日本人は、この「どう行動してほしいか」という部分を明示的に伝えることに抵抗を感じる方も多いですが、ビジネスの場合はこの部分が曖昧だと成果につながらないことが多いのです。

聞き手にしてほしい行動が明確になるように、資料の構成を組み立てましょう
まとめ
資料作成では、デザインを作る前に以下の3つのポイントを明確にすることが重要です。
これらが明確になれば、自ずとデザインの方向性も定まってきます。
美しい資料よりも、「伝わる資料」を目指すようにしましょう。